解説

投資顧問ランキングのカラクリ|金融庁登録・広告表示を自分で確認する手順

仕手・テーマ株ウォッチ 編集部

投資顧問を選ぶとき、「口コミが多い」「ランキング上位」「満足度No.1」といった表示を手がかりにする人は少なくありません。情報収集の入口として自然な行動ですが、その情報自体が信頼できるかどうかを一度立ち止まって確かめることが、取り返しのつかないトラブルを防ぐ最も重要なステップです。

本記事では、口コミ・ランキング情報に潜む構造的な問題を整理し、それを補う公的な一次情報での裏取り手順を具体的に示します。さらに、2023年10月から施行されたステルスマーケティング規制の知識を投資顧問選びにどう活かすかも解説します。「評判がよさそう」という印象だけで判断するリスクと、それを回避する実践的な方法を、制度と事実に基づいて丁寧に掘り下げていきます。


「評判が高い」情報ほど一度立ち止まる理由

実績No.1・満足度No.1表示の落とし穴

「業界No.1」「顧客満足度No.1」といった表示は、見た瞬間に安心感を与えます。しかしこの「No.1」が何をもって算出されたものかを確かめる習慣を持つことが不可欠です。

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仕組み・背景: No.1表示には必ず「比較対象」「調査機関」「調査期間」「調査の母集団(回答者数・選定基準)」が存在するはずです。これらが明示されていない、あるいは注釈を読んでも不明確な場合、その表示の根拠は極めて薄いと考えるべきです。小さな注釈に「〇〇社調べ」とだけ記されているケースでは、誰が、どのような対象に、どのような条件で調査したのかが分かりません。

確認すべきエビデンス: 調査の実施機関名・調査手法・回答者数・実施期間がセットで明示されているかを確認してください。これらがそろっていない表示は、実態を伴わない可能性があります。

法令・制度上の位置づけ: 景品表示法は、商品・サービスが実際のものより著しく優良であると示す表示を「優良誤認表示」として禁止しています。消費者庁はNo.1表示に関する実態調査報告書(令和6年9月公表)において、客観的な調査に基づかないNo.1表示等が優良誤認表示に該当するおそれがあるとの考え方を示しています。つまり「No.1」という文字があれば合法とは限らず、その根拠が問われます。

読者が取るべき行動: No.1・実績トップといった表示を見たら、必ず同ページの注釈・細字部分を確認し、調査の詳細を探してください。見当たらない場合は、その表示を判断材料から外すことを強くお勧めします。


口コミの件数と内容の不自然さをどう読むか

口コミは本来、実際の利用者の生の声を集めたものです。ところが投資顧問の選択に影響する口コミサイトでは、その品質を慎重に見極める必要があります。

仕組み・背景: 口コミが大量に集まっているからといって、それがすべて実際の利用者によるものとは限りません。短期間に口コミが集中して増加する、評価が極端に高い方向に偏っている、文体や表現が似たパターンで繰り返される、投稿者のアカウントがその投稿しか行っていないといった特徴は、自然な口コミには見られにくい傾向です。

確認すべきエビデンス: 口コミの投稿日時の分布(短期集中がないか)、投稿者の活動履歴、具体的な体験内容が書かれているか(損失の有無・手続きの詳細・期間など実体験に紐づいた記述があるか)、否定的な意見の有無などを複合的に見てください。良い評価しか存在しないサービスは、現実には非常にまれです。

法令・制度上の位置づけ: 事業者が依頼・指示して第三者に書かせた口コミを、一般消費者の感想であるかのように見せることはステルスマーケティング規制の対象となりえます。

読者が取るべき行動: 口コミを読む際は「件数の多さ」ではなく「内容の具体性・多様性・信頼性」に着目してください。極端に高評価が偏っている場合は、複数の独立したプラットフォームと比較し、否定的な意見・中立的な意見の分布も確認することが判断精度を高めます。


サイトごとに順位が違う理由

投資顧問のランキングサイトを複数閲覧すると、同じ業者でもサイトによって順位が大きく異なることに気づきます。この「ブレ」は偶然ではなく、ランキングの構造的な性質から生まれます。

仕組み・背景: ランキングサイトは独自の評価軸(手数料・情報量・使いやすさなど)と独自の調査手法で順位を決めています。評価軸が異なれば順位が変わるのは当然です。さらに注意が必要なのは、ランキングサイトの運営において広告収入・成果報酬(掲載先への誘導で収益を得る仕組み)・PR契約などが背景にある場合があるという点です。そのような構造が存在する場合、ランキングの上位が「優れたサービス」を示す以前に「広告上の関係がある事業者」を反映している可能性があります。こうした構造はランキング系メディアで見られることがあり、投資顧問分野でも確認を怠るべきではありません。

さらに踏み込むと、評価基準そのものが非開示のランキングは、消費者の目線から見て「何を根拠に上位に置かれているか」が判断できない状態です。景品表示法が、客観的な根拠を欠いた比較・序列の表示を優良誤認表示として問題視する考え方に照らせば、評価基準が不開示のまま「総合ランキング1位」などと示すことは、読者に対し実態より優れているかのような印象を与えうる点で、法的にも看過できない問題をはらんでいます。

確認すべきエビデンス: 広告の透明性を確かめるために、ページ内の3か所を重点的に確認することが有効です。①ページの最上部または最上部付近、②各業者名・業者ロゴの直近(ランキング内の各行)、③ページ最下部のフッター領域、これら3か所に「PR」「広告」「スポンサー」といった表記がないかを探してください。上位リンクが特定の申込みページに直結していないか、評価基準・調査方法が明記されているかも合わせて確認します。

法令・制度上の位置づけ: 広告であることを隠した表示はステルスマーケティングとして景品表示法上の不当表示に該当しうるため、PR表記の有無はランキングの客観性を判断する重要な手がかりです。2023年10月以降、こうした表記の明示が規制上求められるようになりましたが、それ以前に作成されたページや規制への対応が不十分なページが存在しないとは言えないため、自分の目で確認する習慣が欠かせません。

読者が取るべき行動: ランキングを見るときは「このサイトは誰が・何のために運営しているか」を先に確認してください。運営者情報(特定商取引法に基づく表記等)が不明・曖昧なサイトの順位は参考度を下げて扱うことが賢明です。ページ上部・業者名直近・フッターという3点チェックを習慣にすることで、広告の透明性を短時間で評価できます。また評価基準が明示されていないランキングは、根拠不明の序列として扱い、最終判断の根拠には使わないことが自衛の基本です。


「登録済み」を装う体裁の見抜き方

「金融庁登録済み」「投資顧問として正式登録」などの文言を掲げているサイトが存在しますが、この表示が真実かどうかは、サイト上の記載だけでは確認できません。

仕組み・背景: 投資助言・代理業など投資顧問に関わる金融商品取引業を業として行うには、金商法に基づく登録が必要です。この事実を逆手に取り、登録を受けていないにもかかわらず「登録済み」を装う業者が存在することが問題視されています。サイトデザインが整っていても、登録番号の記載が「もっともらしい番号」であっても、それだけでは本物かどうかは分かりません。

確認すべきエビデンス: 登録番号が明示されているか、その番号で金融庁・各財務局の公式情報を照合できるかを確認してください。登録番号がない、または確認できない業者は一次情報で確認するまで利用を保留することが重要です。

法令・制度上の位置づけ: 金融庁・各財務局は登録を受けた金融商品取引業者の一覧を公表しています。この公式情報と照合することが唯一の確実な方法です。

読者が取るべき行動: 「登録済み」の文言はあくまで出発点として捉え、後述する公的な確認手順で必ず裏取りしてください。登録番号を一次情報で照合する前に契約や送金を行わないことが原則です。


ステルスマーケティング規制から学ぶ「広告の透明性」

ステマ規制とは何か

ステルスマーケティング(ステマ)は、以前から消費者保護の観点で問題視されてきた手法であり、景品表示法に基づく不当表示として指定され、2023年10月1日から施行されました。この制度を知ることは、投資顧問の口コミ・ランキング情報を読み解く強力な視点を与えてくれます。

仕組み・背景: ステルスマーケティングとは、広告・宣伝であるにもかかわらず、それを隠して中立的な第三者の意見・評価に見せる表示手法のことです。消費者は「広告」と分かっていれば割り引いて判断できますが、一般消費者の評価だと思えば素直に信じてしまいます。この非対称性を利用して消費者の意思決定を歪める手法が、規制の対象とされました。

確認すべきエビデンス: 規制の対象は事業者が自ら行う表示と、事業者が第三者に依頼・指示して行わせた表示の両方です。「PR」「広告」「タイアップ」といった明示がない場合、その表示が規制に抵触している可能性があります。

法令・制度上の位置づけ: 景品表示法上の不当表示として規制されており、違反した場合は消費者庁による措置命令等の対象となります。

読者が取るべき行動: 投資顧問に関する記事・レビュー・口コミを読むときは「この表示は広告ではないか」という問いを常に持つことが、情報リテラシーの基本です。


第三者を装う表示も規制対象

「インフルエンサーが推薦している」「専門家がおすすめ」といった形式は、消費者に強い影響を与えます。しかしこうした第三者の推薦も、事業者が依頼・指示したものであれば規制対象となります。

仕組み・背景: ステマ規制は、事業者がインフルエンサー等の第三者に依頼・指示して行わせた表示も対象となります。また規制の範囲はインターネット上に限らず、テレビ・新聞・雑誌等も含まれます。つまり「ネット以外の媒体だから信頼できる」とは言い切れません。

確認すべきエビデンス: 「この人物(メディア)と業者の間に何らかの利益関係がないか」という視点が重要です。推薦者が当該サービスの関係者ではないか、過去の投稿・記事でも同様に特定業者への誘導が多いかどうかを確認することが一つの手がかりになります。

法令・制度上の位置づけ: 景品表示法は事業者に「一般消費者にとって広告であると明確に分かる表示」を求める方向での規制です。

読者が取るべき行動: 第三者的な体裁を持つ情報に「この推薦者と事業者の間に金銭等の関係はないか」を確認する習慣をつけてください。明示がない場合は、その推薦を鵜呑みにしないことが賢明です。


ランキング・口コミページでの実践的チェック手順

知識として「ステマがある」と理解していても、実際のページで何を見ればよいか分からなければ意味がありません。以下は実践的な確認の流れです。

仕組み・背景: ランキング・口コミページで広告の透明性を確認するポイントは大きく3つです。①ページ内に「PR」「広告」「スポンサー」表記があるか、②上位に掲載された業者のリンクが申込みページや資料請求ページに直結しているか、③「編集部が独自に選定」などの中立性をうたいながら特定業者のみ継続的に上位掲載されていないか、です。

確認すべきエビデンス: ページ最上部・各業者名の直近・フッターという3か所に「広告」「PR」の表記を探してください。また「このページはどのようにして収益を得ているか」を運営者情報・利用規約・プライバシーポリシーで確認することも有効です。

法令・制度上の位置づけ: PR表記がないにもかかわらず事業者から報酬を得て作成された記事・ランキングは、ステマ規制に抵触する可能性があります。

読者が取るべき行動: ランキングや口コミページを開いたら、内容を読む前に「誰が・何のために作ったページか」を先に確認する手順を習慣にしてください。


口コミより確実な「公的な確認」の手順

登録の有無を一次情報で確認する

口コミ・ランキングの信頼性がどれほど不確かであっても、公的な登録情報は客観的な事実を示す一次情報です。投資顧問を選ぶ際の最重要確認事項です。

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仕組み・背景: 投資助言・代理業などの金融商品取引業は、金融商品取引法に基づく登録がなければ業として行うことができません。金融庁・各財務局はこの登録を受けた業者の一覧を公表しており、誰でも確認できる状態になっています。

確認すべきエビデンス: 業者のウェブサイトに記載された登録番号・登録区分(投資助言・代理業など)・登録財務局名を控え、金融庁・各財務局が公表する業者一覧と照合してください。名称・番号の両方が一致することを確認します。番号だけの照合では、類似した名称の別業者と混同するリスクがあります。

法令・制度上の位置づけ: この確認は金商法上の登録制度に直接紐づいた最も確実な方法です。口コミ・ランキングが「信頼できる」と示唆していても、登録の有無は別問題として必ず独立して確認してください。

読者が取るべき行動: 契約や資金の移動を行う前に、必ず業者の登録を一次情報で確認する手順を守ってください。「サイトに登録番号が書いてあった」だけでは不十分であり、公式一覧との照合が確認の完成です。


無登録業者の警告リストの見方と限界

金融庁・各財務局は登録業者の一覧を公表するだけでなく、無登録で金融商品取引業を行う者についても警告書面の発出先一覧を公表し、注意喚起しています。

仕組み・背景: 無登録業者リストは、当局が把握して警告を出した業者の情報です。これを確認することで既知の問題業者を回避できます。ただし重要な限界があります。当局が把握していない新興の無登録業者は当然リストに載っていません。「リストに載っていないから安全」という逆の推論は成立しません。

確認すべきエビデンス: 関心のある業者の名称・類似した名称がリストにないかを確認してください。名称を少し変えて活動を続ける例もあるため、完全一致のみで判断せず部分的な類似にも注意を払うことが有効です。

法令・制度上の位置づけ: このリストは金商法上の無登録営業禁止規定の執行活動として公表されるものです。

読者が取るべき行動: 無登録業者リストの確認は「ネガティブチェック」として登録確認と並行して行う習慣にしてください。ただし「リストになければ安全」ではなく、正規の登録確認で「登録がある」と確認できることが本筋です。


日本投資顧問業協会での会員・登録の確認

金融庁・財務局での登録確認と並行して、業界団体である日本投資顧問業協会での確認も有効な手段です。

仕組み・背景: 金融庁・各財務局での登録確認は、業者が金商法上の要件を満たして登録を受けているかを一次情報で照合する手順です。これとは別に、日本投資顧問業協会は会員情報(投資助言・代理会員台帳等)を提供しており、業者が協会の会員かどうかを確認する補完的な手段として活用できます。両者は確認対象が異なるため、それぞれ独立して行うことが精度を高めます。

確認すべきエビデンス: 業者が協会の会員であるかを協会の公表情報で確認してください。協会への加入状況は法的義務ではないため、非会員でも合法的に営業している登録業者は存在します。会員である場合は一定の業界自主規制ルールに従っていることを意味しますが、会員かどうかを理由に登録確認を省略することのないよう注意してください。

法令・制度上の位置づけ: 協会への加入は法的義務ではありませんが、金商法上の登録制度に加えた補完的な確認手段として有効です。

読者が取るべき行動: 金融庁一覧での登録確認を主軸に置きつつ、日本投資顧問業協会の台帳でも会員状況を照合することで確認の精度を高めてください。二つの確認はそれぞれ独立した意義を持ちます。


契約締結前交付書面で手続きの正規性を確かめる

登録の確認が取れた後も、実際の契約プロセスが適切かどうかを確かめる手順があります。

仕組み・背景: 金融商品取引業者には、金商法上、契約締結前に所定の書面(契約締結前交付書面)を顧客に交付する義務があります。この書面には、業者の登録情報・サービスの内容・リスク・手数料・解約条件などが記載されるものです。書面を交付せずに契約を急かす行為は、正規の登録業者としては認められない行為です。書面は紙だけでなく、顧客の承諾を得た上で電磁的方法(PDFファイルの送付やウェブ上での提供など)による交付も認められていますが、その場合でも受け取った書面を手元に保存しておくことが重要です。

確認すべきエビデンス: 契約前に書面(電磁的方法も含む)が提供されているか、その内容が登録情報と一致しているかを確認してください。「書面は後で」「急いで申し込んで」といった誘導は、正規のプロセスから逸脱しているサインです。電磁的方法での交付を受ける場合は、事前に自分が承諾した覚えがあるかどうかも確認の視点になります。

法令・制度上の位置づけ: 契約締結前交付書面は金商法上の義務であり、これが提供されないこと自体が、相手が正規の登録業者でない疑いを高める重要な判断材料です。

読者が取るべき行動: 書面の受け取り前に契約や入金を行わないことを原則としてください。書面を受け取ったら内容を丁寧に読み、不明点を解消してから判断することが自分を守る手順です。電磁的方法で提供された書面は、スクリーンショットやPDF保存などの方法で手元に確実に保存しておいてください。後日、内容の確認や万一のトラブル時の記録として役立ちます。


トラブルの実態から逆算する注意点

SNS・著名人なりすまし勧誘の急増

近年、投資顧問に関するトラブルの中で特に急増しているのが、SNSを起点とした著名人なりすましや、著名人とつながりがあるかのように装った勧誘です。

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仕組み・背景: 国民生活センターは、SNSをきっかけに著名人を名乗る・つながりがあるとして勧誘される金融商品・サービスの消費者トラブルが急増しているとして注意喚起しており、いったん振り込むと被害回復が困難だとしています。著名人の名前や顔写真を無断で使用したアカウントや広告は、信頼性の判断を意図的に歪める手法です。

確認すべきエビデンス: SNSで「著名人から直接連絡が来た」「著名人が推奨している投資グループに招待された」といった状況は、非常に高いリスクシグナルです。その著名人の公式アカウントや公式ウェブサイトで、当該サービスとの関係が本当に公表されているかを確認してください。公式情報での確認ができない場合は、なりすましの可能性を強く疑ってください。

法令・制度上の位置づけ: こうした勧誘の先には、無登録業者や詐欺的トラブルが疑われるケースが含まれます。そのため、登録確認・送金の停止・専門窓口への早期相談が特に重要です。

読者が取るべき行動: SNSで著名人・インフルエンサー経由で投資サービスへの誘導があった場合は、一次情報(公式サイト・登録一覧)での確認を省略せず、資金を動かす前に必ず立ち止まってください。


利益や元本が保証されるかのような勧誘の定型と距離の取り方

トラブルに巻き込まれた事例を振り返ると、勧誘の入口に共通するパターンが見えてきます。

仕組み・背景: 国民生活センターは、利益や元本が保証されるかのようにうたう投資・副業の勧誘に注意するよう繰り返し呼びかけています。金融商品には必ずリスクが伴い、利益や元本が保証されることはありません。それにもかかわらず、絶対・確実をうたうような勧誘は、消費者の判断を狂わせるために意図的に組み立てられた言葉です。

確認すべきエビデンス: 勧誘に「損はしない」「値下がりはない」「他では得られない特別な情報がある」といった表現が含まれる場合は、内容の正確性以前に、その表現自体を危険なサインとして捉えてください。正規の登録業者はリスクの説明義務を負っており、リスクを隠したり利益が保証されるかのように装う表現は正規の業務スタイルと矛盾します。

法令・制度上の位置づけ: 契約締結前交付書面にはリスクの記載が求められており、リスクを一切説明しない勧誘は正規の手続きと相容れません。

読者が取るべき行動: 話が「うますぎる」と感じたときは、感じた違和感を信頼してください。その場で判断せず、一度冷静になる時間を取ることが被害防止の最も有効な行動です。


不安なときの相談先

被害を防ぐためには、迷ったときに自分一人で抱え込まず、専門の相談窓口を活用することが重要です。

仕組み・背景: 投資資金の振込先として個人名義の口座を指定されるなどの場合は詐欺の疑いがあり、不安なときは消費者ホットライン(188番)で相談できます。また日本投資顧問業協会は投資運用業者・投資助言業者に関する相談・苦情の窓口を設けています。

確認すべきエビデンス: 個人名義の口座への送金を求められること、あるいは通常とは異なる送金方法を求められることは、詐欺的な手口によく見られる特徴です。このような要求があった場合は、送金前に必ず外部の専門窓口に相談してください。

法令・制度上の位置づけ: 公的な相談窓口は整備されています。一人で解決しようとするよりも、早期に相談することが被害拡大の防止につながります。

読者が取るべき行動: 消費者ホットライン(局番なしの188番)、日本投資顧問業協会の相談窓口を事前にメモしておくことをお勧めします。「少し不安」という段階で相談することが、「取り返しがつかない」状況を防ぐ最善策です。


まとめ:口コミは入口、最終判断は公的情報で

投資顧問を選ぶ際の口コミ・ランキング情報は、完全に無意味ではありませんが、それだけを根拠に判断するには構造的な限界があります。No.1表示の根拠の不透明さ、口コミの不自然な偏り、ランキングサイトの広告依存と評価基準の不開示、ステルスマーケティングの可能性—これらはいずれも、情報の見かけと実態の間に乖離が生まれる経路です。

これらの限界を補う手段として、本記事では次の手順を示しました。

  1. 登録の一次情報確認:金融庁・各財務局が公表する業者一覧で登録の有無と番号を照合する。
  2. 無登録業者リストの確認:警告書面の発出先として公表されている業者に該当しないかを確認する(ネガティブチェック)。
  3. 日本投資顧問業協会の台帳確認:金融庁での登録確認とは独立した補完的手段として、会員状況を照合する。
  4. 契約締結前交付書面の受け取りと内容確認:書面がなければ契約・送金しない。電磁的方法で受け取る場合は事前の承諾要件を確認し、受け取った書面は必ず手元に保存する。
  5. 不安なときは188番・協会窓口に相談:一人で判断しない。

口コミ・ランキングはあくまで「候補を探す入口」であり、最終的な判断は公的情報という一次情報に基づくことが、個人投資家として自分を守る最も確実な方法です。


よくある質問(FAQ)

口コミやランキングは全く見ない方がよいですか?

全く見る必要がないとまでは言えません。口コミ・ランキングは候補の業者を「知る」入口として一定の役割を果たします。問題は、その情報の根拠・透明性・作成経緯を確かめずに「信頼できる評価」として最終判断に使ってしまうことです。No.1表示には調査の詳細確認、口コミには不自然な偏りの確認、ランキングにはPR表記(ページ上部・業者名直近・フッターの3か所)と評価基準の開示の確認という視点を持った上で、候補リストを絞り込む参考程度に活用してください。その後、必ず公的な一次情報(金融庁・各財務局の登録業者一覧)で裏取りすることが最終判断の原則です。

登録さえ受けていれば安全ですか?

登録は「安全の最低条件」であり「安全の保証」ではありません。金商法に基づく登録を受けていることは、業者が一定の法的要件を満たして当局に届け出ていることを意味します。しかし登録業者であっても、不適切な勧誘行為・不正確な情報提供・過大なリスクを取らせる助言など、さまざまな問題が起こりえます。登録確認はあくまでスタートラインの確認です。契約締結前交付書面の内容確認、リスクの十分な説明があるかの確認、口座への振込先が正規の法人口座かの確認など、複数の視点を組み合わせることが実質的な安全確保につながります。

ステルスマーケティングかどうかはどう見分けますか?

完全に確認することは困難ですが、実践的なチェックポイントとして次の点を確認してください。①ページ上部・業者名直近・フッターの3か所に「PR」「広告」「スポンサー」等の表記があるか、②記事・投稿の末尾や注釈に業者との関係(報酬の受け取り等)の開示があるか、③推薦者が当該業者のみを継続して高く評価していないか、④推薦者の活動履歴に特定業者への誘導が集中していないか。2023年10月施行のステマ規制により広告の明示が求められていますが、規制に違反した表示がなくなるわけではないため、「表示がないから第三者の本音」と断定しないことが重要です。

無登録の業者に申し込んでしまったらどうすればよいですか?

既に申し込んだ・資金を振り込んだ場合でも、まず冷静に状況を整理し、早期に相談することが最優先です。消費者ホットライン(188番)に電話することで、地域の消費生活センターにつないでもらえます。また日本投資顧問業協会にも相談・苦情の窓口があります。追加の資金を振り込む前に必ず相談してください。国民生活センターの注意喚起が示すように、一度振り込んだ資金の回収は非常に困難になることが多いため、「追加で振り込めば取り返せる」という勧誘があっても応じないことが被害の拡大防止につながります。

関連記事(順次公開予定)

本クラスターでは、以下の個別記事を順次公開します(公開時にリンクを設定します)。 – 実績No.1・顧客満足度No.1表示の見抜き方(景表法・優良誤認の観点)(準備中) – 無登録の投資助言業者の見分け方と警告リストの使い方(準備中) – ステルスマーケティング規制をやさしく解説(投資情報の読み方)(準備中) – 投資助言業者の登録番号・会員の確認方法(金融庁・投資顧問業協会)(準備中) – SNS・著名人なりすまし投資勧誘の手口と対処(国民生活センター)(準備中)

出典(公的一次情報)

  • 金融庁「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」: https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyo.html
  • 金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について(警告書面の発出先一覧)」: https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/mutouroku.html
  • 消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります」: https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing/
  • 消費者庁「ステルスマーケティングに関するQ&A」: https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/faq/stealth_marketing/
  • 消費者庁「優良誤認とは」: https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/representation_regulation/misleading_representation
  • 消費者庁「表示規制の概要」: https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/representation_regulation
  • 消費者庁「No.1表示に関する実態調査報告書(令和6年9月)」: https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/survey/assets/representation_cms216_240926_02.pdf
  • 国民生活センター「SNSをきっかけとして著名人を名乗る等で勧誘される金融商品・サービスの消費者トラブルが急増(令和6年5月29日)」: https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20240529_1.html
  • 国民生活センター「儲け話に関するトラブルにご注意!」: https://www.kokusen.go.jp/soudan_now/data/moukebanashi.html
  • 日本投資顧問業協会「協会員について(投資助言・代理会員台帳等)」: https://www.jiaa.or.jp/profile/
  • 日本投資顧問業協会「投資運用業者・投資助言業者に関するご相談や苦情」: https://www.jiaa.or.jp/soudan/gyousya.html

投資判断はご自身の責任で行ってください。

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